天国に近い場所
「しのおねぇちゃ〜んっ」

「あ…!」


施設の前で、夏莉と正樹さんと3人で待っていると、ちょっとだけ大きくなった健太郎くんが、龍美に手を引かれて施設から出て来た。




「健太郎くん!」

「しのおねぇちゃん―――!!」


龍美から手を離し、私に泣きながら抱き着く健太郎くん。

私は健太郎くんを抱き抱え、健太郎くんの頭を撫でた。




「健太郎!」

「お前大きくなったな?」


私が抱き抱えている健太郎くんを夏莉と正樹さんがつっついたり、ほっぺをつねったりしている。

2人の目にはうっすら涙が滲んでいた。
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