天国に近い場所
正樹さんが、ため息まじりでつぶやいた。







「健太郎、俺が思ってたよりもずっと施設になじんでて、子供なのに以外としっかりしててさ。俺が心配し過ぎてたのと、勝手に健太郎のこと『かわいそう』って思い込んでたんだなよな…」




正樹さん…

「だから言っただろ。お前は、もうちっと学習以外を勉強しろよな」


私の隣で運転する龍美が、バックミラーから見える正樹さんに少し呆れた様子で言った。





「へいへい(汗)」


正樹さんが眼鏡をクイッとあげ、めんどくさそうにそう呟いた。
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