聖夜の約束
「夏姫さん 大好きだ・・・愛している」

レイの呟きに夏姫の身体がこわばる。


「だめ、冗談はやめて・・・・」


数日前に会ったばかりなのに好きと言う言葉は信じられても愛しているなんて言葉は信じられない。


「冗談なんかじゃないよ」


夏姫の言葉に少し怒ったようなレイの声。


「とにかくアパートに帰ろう?」


レイは夏姫の肩は離したが握っていた手は離さなかった。



手を離したのは部屋に入ってコートを脱いだ時。


「身体が冷えちゃったね 温かいものでも飲もうよ コーヒーが良い?紅茶?それともお茶?」


夏姫はやかんに水を入れて火にかけた。


さっき抱きしめられた肩が熱い。


別に力を入れられたからではないけど・・・レイくんに告白されたからかもしれない。


「何が良いかな?レイくん」


レイは畳に座って夏姫の後姿を見ていた。


「え?あぁ、夏姫さんと同じで良いよ」


「じゃあ、お茶にして良い?うんと濃いやつね?」



< 112 / 142 >

この作品をシェア

pagetop