聖夜の約束
電気を一番小さくして夏姫はベッド、レイはたたみの上に横になって数分した時だった。


「夏姫さん、何もしないからそっちに行って良い?」


「え・・・・」


沈黙を破ってレイの声がして夏姫はビクッとした。


「夏姫さん?」


(この前は断らなかったのに)


「・・・良いよ」


夏姫は少しして言った。


孤児院にいる時は雑魚寝状態だから抵抗はないけどレイくんが隣に寝ると落ち着かない気分になる。


夏姫の了承を得たレイはベッドに滑る様に入ってきた。



夏姫は身体に触れないように身体を動かす。


「そんなに信用ないかな?」


「そ、そんなことないよ こんなにくっついて寝るのは慣れないだけ」


「暗いのに夏姫さんの顔が赤くなっているのがわかる」


レイの身体が夏姫の方を向いていて顔がすぐ近くにある。


「み、見えるわけないでしょ?あたしにはレイくんの顔色なんてわからないもの」


(この18歳は23歳のあたしより大人であたしをドキドキさせてしまう力がある・・・)


「ん・・・ばれた?」


そう言ったレイの顔が近づいてくるのがわかった。


「レイくん?」


「夏姫さん・・・」


レイの視線が夏姫の唇を捕らえた。
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