聖夜の約束
「だ、だめっ 約束と違うじゃない!」


力いっぱいレイの身体を押す。


「やっぱりその気にならないか」


レイは苦笑いを浮かべた。


「あ、あたりまえだよっ」


夏姫は更にベッドの端に移動した。


「わかったよ 大人しくする」





夏姫は大人しくなったレイを薄目を開けて見る。


(レイくん・・・まだ起きてる・・・)


「どうしたの?眠れないの?」


夏姫が見ているのがわかったのだろうレイが口を開いた。


「・・・・」


夏姫は黙っていた。


「夏姫さん、明日出て行くよ」


「えっ?」


夏姫は耳を疑った。


「明日・・・出ていく・・・?」


オウムのように聞き返す。


「おやすみ」


レイはそっけなく言うと布団の中で夏姫の手を握って目を閉じた。



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