聖夜の約束
「早く食べよう?お味噌汁、冷めちゃう」


「夏姫さん、明日の夜7時にこの前のクリスマスツリーの所で待っているから」


「レイくんっ だめだよ 約束があるって言ったでしょう?」


夏姫は困った声をあげた。



レイは夏姫の言葉を無視して立ち上がるとコートとカバンを手にした。


「ま、待ってよ!」


玄関に向かうレイの腕をつかむ。



「レイくんっ!」


「夏姫さん 待ってるよ」


レイが笑った。


レイの笑顔に見入ってしまった。



そしてレイの顔が離れて気づいた。



レイの掠めるようなキスが自分の唇に触れた事を。


「レイくん・・・」


「泊まらせてくれてありがとう」


誰もが見惚れてしまう笑顔をレイは夏姫に向けてドアを開けた。



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