聖夜の約束
「鳥居さんに悪いです・・・」


(同じ会社に鳥居さんがいるのに彼と付き合えるの?夏姫・・・・)


自問自答をしてみる。


「でも俺の気持ちはごまかせないよ」


テーブルの上に置いている夏姫の手に瑞樹の手が重なる。


瑞樹の体温を感じて耳まで真っ赤になった。


「・・・あたしのどこが好きになったんですか?」


会社にいる時はお化粧もほとんどしないし、髪を無造作に結んでいるだけだし、極めつけは黒ぶちめがねだ。


「ん~ この前のクリスマスパーティーの時かな あの時、この子はすごく可愛いって思ったんだ」


(あたしの外見・・・で判断したんだ・・・)


心の中が寒くなる。


(レイくんなら・・・?レイくんはあたしの外見は関係なかった?)


「可愛いだけじゃないよ?気が利くし、仕事も出来る そんな君が好きなんだ」


黙ってしまった夏姫に瑞樹が取り繕うように言った。

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