聖夜の約束
「夏姫さんが心配だったんだ」


玄関から入ってこようとしないのは感心する。



違う違う、そんな所を感心するのはおかしいよね?



玄関に入っている事自体がおかしいんだもの。



「大丈夫だから出て行って」


彼をかまっている余裕は無い。



気持ちが悪くてこのまますぐに眠りたい。



「・・・いくところが無いんだ」


(えっ・・・?)


夏姫はレイを見た。


綺麗な顔立ち、まるで外人のような容姿。


身長もモデル並みに高い。


そんな夢のような彼が行くところが無いなんて考えられない。


「ほんとに・・・行くところがないの?」


「本当だよ」


天使のような笑みを浮かべているレイに夏姫はため息を吐いた。


「・・・いいよ あがって」


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