聖夜の約束
目の前の美少年がおいしそうに朝食を食べているのを見て心の中でため息を吐く。



(おいしそうに食べるな~ 見ていて気持ちがよいけど・・・どうして彼がここにいるのかわからない・・・)


箸をとめてぼんやり彼を見ていると彼の箸が止まった。



「夏姫さん 気分悪いんじゃないの?大丈夫?」



「えっ?ううん そんなことない もう大丈夫」


慌てて返事をした。


「夏姫さん、この卵焼きおいしいよ 少し甘いところが僕好み」


ふっくら仕上がった卵焼きをパクつく彼に夏姫は愛想笑いを浮かべた。


(とにかく帰ってもらわないと)


そう考えて夏姫は食べ始めた。



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