聖夜の約束

レイは台所に立つとおかゆを作り始めた。


なんでもやるのが家訓なわけでレイは何でもやってもらえる環境で育ったにしては料理も出来た。



「夏姫さん、起きて」


今度は一回で夏姫の目が開いた。


「レイくん？どうして・・・？」


レイに手を伸ばす。


レイがその手を握る。


レイのひんやりとした手が気持ちいい。



「風邪を引いたんだね　おかゆを作ったから食べて　それから薬を飲んでもう一度寝るんだ」



夏姫の背に手を添えて起こす。


起き上がるとめまいがして頭に手を当てる。



「大丈夫？」


レイの心配そうな声。


「うん」


「食べさせてあげようか？」


レイがおかゆをすくって冷めるようにふーっと息をかける。



自分で食べるって言い張るかと思いきや大人しく鳥の雛のように夏姫は口を開けた。


（可愛いな・・・）