聖夜の約束
ゆっくりとそしゃくして飲み込もうとした時、夏姫は顔をしかめた。



「喉が痛いの?」



「うん・・・レイくん、移っちゃうよ?もう大丈夫だから帰ってね?」


その声はしわがれた声だった。


喉が痛いと聞かれて我に返った。



(あたしは風邪を引いていたんだ)



こんな狭い部屋に一緒にいたら移ってしまう。



「そんなにやわじゃないよ」


もう一口夏姫の口におかゆを入れる。


「おいしい・・・」


レイに作ってもらったおかゆはおいしかった。


「あたし・・・着替えてる?」


昨日着ていたパジャマと違う事に今気づいた。


「ん?ああ、大家さんのおばさんに着替えさせてもらったよ」


「そ、そうなんだ・・・どうやって入ったの?」



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