聖夜の約束

第四夜

翌日は月曜日、会社のある日だ。



熱はだいぶ下がったもののふらつく。


「今日は会社へ行けないよ 行ったらどこかで倒れる」


「そんなことない」


そう言って起き上がったがレイの言うとおり足元がふらついた。



足に力が入らない感じなのだ。



「ほら、言っているそばから・・・」


レイが夏姫の身体を支えてベッドに座らせた。





結局、夏姫は会社を休んだ。


まだ調子悪いのに電車に乗れるわけがなかった。


熱もすっかり下がったというわけではない。


レイが体温計を見ると顔をしかめた。


「まだ熱があるよ 病院へ行った方がいいね」



「もう一日寝ていれば治るよ それよりレイくん、もう帰って 学校があるんじゃない?」


ベッドの中で夏姫が言う。



「言ったでしょ?帰る所がないって」



「うそばっかり 帰る所がないのに着替えてくるはずないもん」


夏姫の言葉にレイは笑った。



「具合が悪いのに観察は出来るんだ」


(服が違う事ぐらいわかる。ごくラフなブラックのパーカーにジーンズ、クロスのシルバーネックレスを身につけたレイはやっぱりカッコいい)


なんて答えようと困っているとレイが立ち上がって台所に立った。
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