聖夜の約束
「ただいま・・・」


ドアから明かりが見えたからレイがいるはずだった。


「おかえり」って言う声を期待していた。


だけどレイは部屋にいなかった。


「レイくん・・・?」



部屋の明かりは点いていたけどレイの姿はない。


レイの紫色のダウンジャケットもない。


(出かけたの?それとも出て行っちゃったの?)


夏姫は泣きたくなった。



バッグが肩からするっと抜けてボトッと畳の上に落ちる。



部屋の中を見渡すとレイのノートパソコンが部屋の隅に置かれていた。



(まだレイくんはいる・・・)


ホッとした。






「夏姫さん、帰ってたんだ お帰り」


レイの声が夏姫の背後でした。


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