聖夜の約束
その日は会社を出る退社時間まで大変だった。


鳥居　さやかさんがあたしの所まで来たからだ。


涙目で昨日の事を問いただされて夏姫は悪者になった気がした。


実際、社内の女性は工藤先輩を除き、全員が鳥居　さやかさんの味方に見えた。


「ただ、食事に行っただけです」


「わたしと付き合っているのを知っていて瑞樹さんと食事に行くなんてひどいわ」


食事に行っただけだと言っているのになかなか帰ってくれない彼女。


そこへ工藤先輩が助け舟を出してくれた。


「今は仕事中よ　そんな事は退社してからにして頂戴」


心の中で夏姫は（ナイス　工藤先輩♪）と言った。


長谷川さんから社内メールが何度も来た。


謝りのメール。


そして鳥居　さやかさんの事はなんでもないからと。


（長谷川さんの言う事が本当ならば彼女があんなに動揺するはずはない・・・）






< 87 / 142 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop