聖夜の約束
レイは相変わらずあたしの手を握って歩く。


あまりにも堂々としているから自分でも不自然に思わなくなった。


だけど通り過ぎる人は「えっ?」と言う顔になって振り返る事に気づいた。


あまりにも不釣合いなカップルだと思っているのだろう。


「ここ・・・・」


夏姫は大きなクリスマスツリーを目にして呟いた。


「そう、初めてのデートの場所」


レイがにっこり微笑む。


ブルーのLEDに電飾されたクリスマスツリーはため息が出るほど美しい。


「どうしてここへきたの?」


「あの時、ゆっくり2人で見れなかったから」


ちょうどカップルが座っていたベンチが空いた。


レイはそこに夏姫を座らせてから自分も座った。


まるでカップル専用に作られたような2人しか座れないベンチ。


そのベンチもクリスマスの為に真っ白な美しいデザインだ。



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