聖夜の約束
2人分のベンチしかないからあたしたちはピタッとくっつく状態。


「レイくん、他の所に座ろうよ」


(あたしたちはカップルじゃないんだから)


見事に不釣合いなあたしたちだ。


「どうして?せっかく夏姫さんに接近できるのに」


「接近は他の女の子とした方がいいよ」


「僕は夏姫さんが良いの」


そう言って左側に座っているレイは左手で夏姫の手を握り、右腕を夏姫の肩に回した。


「レ、レイくんっ」


こんな事されるとなれないせいで心臓がドキドキする。


「いいでしょ?こんなに雰囲気の良い所なんだから」


レイに言われた夏姫は意志が弱いな~と思いつつそのままにさせる。


肩に回った手が夏姫の頭に置かれレイの肩に寄りかからせようとした。


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