聖夜の約束
時間をかけてお風呂に入り、やはり時間をかけてドライヤーを髪に当てた。


すっかり支度を終えて部屋に行くとレイはノートパソコンの画面を見ていた。


「待ちくたびれたよ」


部屋に入るとノートパソコンから視線を夏姫に移した。


「勝手に待ちくだびれていなさい」


冷たく言うとコップに水を入れて一口飲んだ。


「冷たいな~」


夏姫の反応が面白いレイは立ち上がって夏姫の横に立った。


「夏姫さん、そんなに僕の事が嫌い?」


悲しげな声に夏姫はレイを仰ぎ見た。


身長差が20センチ以上あるからずっとレイを見ていると首が痛くなる。


「わからない・・・」


それが正直な気持ちだ。


嫌いではない。


好きなのかもしれない。


だけど・・・恋愛対象としては見られない・・・。


(レイくんだって暇つぶしにからかっているだけなんだ)


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