聖夜の約束
「良かった♪嫌いって言われなくて」


「えっ?」


「嫌いって言われたら手も出せないでしょ?」


レイの手がドライヤーでサラサラになった夏姫の髪を撫でる。


「レイくん・・・手は出しちゃだめなの」


(手を出されたいなんて思っていないけど・・深い所まで進まないのはあたしに魅力がないせいなのかもしれない。

18歳で興味のある年齢なのに自制心があるというか・・。

やっぱりあたしに魅力がないのかも。

それとも・・・女には困っていない・・・?)



「何を考えているの?」


ぼんやり考え事をしてしまった夏姫にレイは顔を覗き込んだ。


「な、なにも」


慌てて首を振る。


「僕の事でしょ?」


レイがにこっと笑みを見せる。


「ち、違うよ 違うの」


レイから離れてベッドの上に座った。


夏姫が離れてしまうとレイはノートパソコンの前に座った。
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