ナツ色の恋~最強男が愛した伝説の女~
若干の胸騒ぎを抱えながら、放課後を迎えた。
愛村と玲奈のあの言葉が気になって仕方が無い。
“あの人嘘ついてる”
“あいつの場合、絶対抗争になるぜ”
……抗争になってしまうの?
「鹿波!」
「なんですか」
今すぐ愛村についていって真実を確かめたいのに。
容赦なくあたしの担任はあたしを呼び止める
「すみません、今日だけは!」
「何か用事があるのか?」
「はいっ、早く行かないと!!!」
よほど切羽詰っているあたしに驚いた担任は、
「明日、来るか?」
「絶対行きます!!」
快く、あたしの下校を許してくれた。
はやく…
早く行かないと!!
ドクン…ドクン……
倉庫に近づくほどに、胸騒ぎがひどくなる。
…こんな感じ、前にもあった気がする…。
『……さ…な……』
「っ!!!」
やだ、やだよ!
お願い…間に合って!!