ナツ色の恋~最強男が愛した伝説の女~
走って、走って、走りまくった。
あたしはには愛村たちみたいなバイクなんて持ってない。
「はやく…ッ!」
身体が、うまく動かない…!
焦れば焦るほど、あたしの足はもつれていく。
キモチはきっと陸上競技者より早いのに、あたしの足はのろい。
それでもなんとか、転ぶことなくあたしは倉庫にたどり着くことが出来た。
「……はぁ…っ!!」
少し、息を整えてから倉庫の中を目をやった。
ドックンッ!
心臓が止まったような気がした。
こんなにもたくさんの人がいるのに、周りがひどく静かに感じて、
ドクン ドクン…
自分の心音があたしの身体を支配した。