ナツ色の恋~最強男が愛した伝説の女~
「ふざけてんのか!!」
「いたって真面目」
冷ややかなあたしの態度に気分を悪くしたのか、その男はあたしに殴りかかってくる。
バキッ
「…ぐぁ…っ」
バンッ!!
あたしが右足で男を蹴ると、男は左に数メートル吹き飛ばされた。
「お前、なんなんだよ!!」
「なにが?」
「何モンだよ!」
「…さあ、ね……っ!」
男とか、女とか。
男女平等なんて、本当なのかな。
だって女は
どうやったって男に力では勝てないもの。
それがどうしようもなく
悔しかったんだ。
“男だから”“女だから”
そんな言葉が嫌いだった。
だってみんな
“人間”じゃん。
何十億人もいるなかの、たった一人の、
小さな存在じゃん。