ナツ色の恋~最強男が愛した伝説の女~
校門の前に、女の子が座っている。
「…沙南」
珠梨だった。
「……今日は、どうしたの…?」
「ついてきて」
ドクンと心臓が鳴る。
お願い、違うと言って。嘘だと言って。
珠梨の冷たい目を、始めて見た。
軽蔑した、嫌悪の目。
────…
着いたのは体育館裏だった。
「…あれ見てよ」
珠梨が指差す方向に不良の集団があった。
「…あれが……どうしたの?」
「もっとよく見て!」
イラついたように言う珠梨にあたしは集団に目をこらす。
「────っ嘘…!」
信じられない人物がいた。
変わり果てたツバサがいた。