ナツ色の恋~最強男が愛した伝説の女~
髪をあたしと同じ金髪に染めて、タバコふかして…リンチしてる……。
「…なんで?」
無意識に出た言葉だった。
それを珠梨は聞き逃さなかった。
「…沙南のせいでしょ?」
「…え?」
「あんたのせいで…ツバサが変わったの!前はあんなに優しかったのに…っ!人を傷つける奴じゃなかったのに!!」
……あたしの……せい?
「…あんなツバサ、ツバサじゃない!!!」
──バシッ
感極まった珠梨はあたしの頬を殴る。
「…あんたが…あんたが心優しいツバサを殺したんだ!!」
「───っ」
「ツバサを返してよ!あたしの…優しかったカレを返せぇえ!!!!!!」
悲しくて、怖くて、苦しくて。
あたしは逃げ出した。
叫ぶ珠梨の声に耳を塞いで。溢れる涙を必死で拭った。
全部、全部、あたしが悪いの。
ツバサがあぁなったのも、
ナツが死にかけたのも、
全部………
あたしのせい。