ナツ色の恋~最強男が愛した伝説の女~
ドクン…ドクン…。
また、心臓が高鳴って、止まらない。
真実を聞きたいと思う。
だって、もしかしたら、思い過ごしかもしれない。
健康診断とか、そういったものかもしれない。
そう思うのに、
ううん…
そう思いたいのに
胸騒ぎが止まらない。
嫌な予感がする…。
聞きたい、
でも
聞きたくない。
二つの感情が混ざって、
動けないでいた。
「……沙南?」
そんなあたしに声をかけたのは、
「………ナ……ツ……」
茶色の髪をなびかせ、少し首をかしげる愛しい人だった。