ナツ色の恋~最強男が愛した伝説の女~
なんだか大変なことになりそうだし、拓眞が気づかないうちに助けにいくか。
階段がめんどくさかったため、飛び降りる。
スタンッ
着地すると、一瞬だけ頭のてっぺんが涼しく感じた。
……あぁ、そういえばウィッグだよ今。
若干ズレたであろうウィッグを手で押さえながら走るあたしは間違いなく不審者だ。
「…えーっと……どこだろ?」
キョロキョロと当たりを見回すと、それらしい集団が見つかった。
その端っこでグッタリしているのがきっと、ポテチを買いに行った奴だろう。