ナツ色の恋~最強男が愛した伝説の女~
「…誰だ、こいつ?」
「…女ぁ!お前、自分の立場わかってんのか?」
敵の男に睨まれても完璧にシカトして、話し掛けた。
「…君だよね、ポテチ買いに行ってくれた子」
しゃべる気力が残っていないのか、ほんのわずかにその子はうなずいた。
「じゃあ行こうか」
驚いた目を向けられるけど、気にしない。
あたしだって喧嘩ぐらい出来るんだよ。
「…コイツ、連れて帰るんで」
やっぱりすんなりは帰してくれなかった。
「…待てよ」
低い声で呼び止められた。