ナツ色の恋~最強男が愛した伝説の女~
「…なんですか?」
「…お「調子こいてんじゃねぇぞ!」」
何かを言いかけた男の声が掻き消された。
ドスの聞いた声の主に同時に目をやった。
赤い短髪が先頭を立っていた。
「…神崎サンだ!」
……かんざき?
「ハッ、これでサタンも終わりだな」
「…………………」
男が神崎に見とれているうちに、あたしは歩きだした。
とりあえず安全そうな場所に。
「………ここで待ってて、あたし応援に行くから」
「…待て……」
立ち去ろうとするあたしの袖を男が引っ張った。
「……お前が行って…も……足手まといだ……っ」
「………………でも」
「…おらぁあ!」
バキッ!ズサーッ
音が聞こえた。
目を向けると、
ナツが殴られていた。