ナツ色の恋~最強男が愛した伝説の女~
赤い髪の神崎という男は結構強いらしく、ナツをよろけさせた。
それを見計らってか何人もの男がナツを羽交い締めにする。
……拓眞も同じようだ。
「………っ………拓眞サン!」
状況が一気に悪くなった。
トップがボコ殴りにされている光景を見て、みんなが青ざめていた。
…………あたしを除いて。
「………卑怯な奴……」
低い声でつぶやいて、立ち上がった。
「…待て…!」
必死にあたしを止める男の頭に手を置いた。
「大丈夫、心配ありがとね?」
左手でウィッグをはずし、上着を脱いで歩きだした。
金髪のストレートが風になびいく。
「…情けないね、ナツ」
そう声をかけるあたしにナツは力なく笑った。
「…誰だよお前?」
「さぁ、誰でしょう。当ててみてね」
卑怯な奴は大嫌い。
だから、潰す。
…………あたしは、Angel。