ナツ色の恋~最強男が愛した伝説の女~
「…サタンだな?」
声をかけられても、振り向きはしない。
「…んだよ」
「俺とタイマンはれや」
「…はぁ…」
……またかよ。
ため息をつきながら俺は振り返った。
「………」
加えたタバコを落としそうなくらい、俺は驚いた。
目の前に立っている奴が、一ミリたりともヤンキーに見えなかったから。
白い肌に、暗い茶髪。
ピアスをほどよくつけて、ダサい制服を格好良く着こなしていた。
お洒落な奴、
こいつの第一印象はそうだった。