ナツ色の恋~最強男が愛した伝説の女~
「いや、は?じゃねぇし」
「いやいや意味わかんないし」
っていうか、拓眞の学校ってどこよ?
「あたしAngelの活動再開したの今日だし」
「…じゃあ、あいつは誰だったんだよ……」
怒りと殺気のこもった声。
拓眞はきっと誰にも聞こえてないと思っているんだ。
あたしの真似をしている子がいる…?
「ねぇ、ナツ!」
「ん?」
声をかけると、ナツはあくびをしながら振り返った。
きゅんっ
そんな何気ない行動にいちいち胸キュンしている自分がいた。
「拓眞の高校ってどこ?」
「ふ、本人に聞けよ」
…それもそうだな。
無意識に、ナツに話しかけたい自分がいた。
もしかしたら本能的にすでに、これから何が起こるのかわかっていたのかもしれない。