ナツ色の恋~最強男が愛した伝説の女~
『Angelに逢いてぇな……』
『………え?』
いつの日か、ナツがポツリと呟いたのを俺は不意に聞いてしまった。
きっとあいつは自分が呟いたことすら分かってないと思う。
それくらい、
か細い声だった。
『見つけてやるよ、俺が……』
ナツがこれまで何かを望むことなんてなかった。
一度逢えば、誰もが憧れといわれた伝説の女。
噂はいくらでも聞くのに、見つけられなかった。