ナツ色の恋~最強男が愛した伝説の女~
「ねぇ、なんでつけてるの」
「別につけてねーし」
「じゃあなんでそんな窓際に張り付いてるの。明らかにおかしいでしょ」
「……うるせぇ。てめーに関係ねーだろ、ただちょっと…知り合いに似てただけだ」
「………知り合い……ねぇ。……まさか、“ミーナ”じゃないよね?」
「っ!?」
“ミーナ”、その言葉を口にした瞬間、男の顔が歪んだのがわかった。
「てめ、なんで…っ」
「“ミーナ”はもう、いない。もう存在しない。」
「………」
「だから、“ミーナ”の影を追うのはやめなさい。それに、あの子は“ミーナ”じゃないんだから」
そう言ってあたしは、店内に戻った。
“ミーナ”は、もういない。