ナツ色の恋~最強男が愛した伝説の女~



『虚しいだけでしょう?』



うん、そうだね…。


虚しいよね…。



わかってたんだよ、本当は。


こんなことしたって、何にもならないって。




死にたいと思っても、

死ねなかった。



こんな世界でも、ずうずうしくもあたしは、死にたくなかった。


そんなあたしに彼女は、


『それは玲奈が生きたかったからだよ』


と言った。




あたしの中で、何かが変わったの。

たった一人、わかってくれる人がいるだけで、

こんなにも心に余裕ができるとは思わなかった。






< 292 / 328 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop