ナツ色の恋~最強男が愛した伝説の女~
『虚しいだけでしょう?』
うん、そうだね…。
虚しいよね…。
わかってたんだよ、本当は。
こんなことしたって、何にもならないって。
死にたいと思っても、
死ねなかった。
こんな世界でも、ずうずうしくもあたしは、死にたくなかった。
そんなあたしに彼女は、
『それは玲奈が生きたかったからだよ』
と言った。
あたしの中で、何かが変わったの。
たった一人、わかってくれる人がいるだけで、
こんなにも心に余裕ができるとは思わなかった。