ナツ色の恋~最強男が愛した伝説の女~




そして、初めて人を好きになれた。



『玲奈、好きな人ができたの!?そっかぁっ!』


それを打ち明けた日には、自分のことのように喜んでくれた。




……嬉しかった。





その人がツルヤ。


出会いは本当に笑っちゃうくらい、馬鹿なものだったけど。




付き合った日に、彼女はあたしに不思議なこと言った。



『愛はね、人の心を受け入れて初めて言えるものなんだよ』


『……でもみんな簡単に愛してるとか言ってるよ?』



『その人たちはきっと、知らないんだろうな。自分以上に、相手のことを思える存在を。本当に心から愛することを。』


『沙南は知ってるの?』



『あたしもね、知らないの。これはお母さんの受け売り(笑)』






切なそうに笑った沙南は、どこか、はかなげに見えて。


あたしはこのとき、


沙南を守りたいと思った。







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