ナツ色の恋~最強男が愛した伝説の女~
「みんな、Angelを見たかったんだよ」
「…な……っ!」
ポロリ、女の目から涙がこぼれ落ちた。
「…ナツやん?」
俺の隣にいたナツやんがフッと鼻で笑って、俺の肩に腕を回した。
そして小声で、つぶやいた。
「……俺もさぁ……」
それを聞きながら、沙南ちんのほうを向いた。
直也に話し掛けていた。
「…ちょっと!あたしも会話に入れてよ」
「…え、沙南サン入ってなかったんすか?沙南サン中心に話してたんすけど」
「…え゛!?」
「…天然っすね」
クスリ、と直也は笑う。
それを見て笑った沙南ちん。
穏やかな空気がこの一辺を包む。
ずっと嫉妬してたけど、
バカみたいだ。
沙南ちんは俺にとって、
ナツやんや玲ちゃん、他の人にとっても。
日だまりの様な存在なんだ。