ナツ色の恋~最強男が愛した伝説の女~
教卓について、ため息をもらす。
「愛村くん、特待生だったんだね?」
「…うん。沙南ちゃんもそうだとは知らなかった。びっくりしたよ」
ふ、そんなあほそうに見えるのかしら?
「じゃあ、今から文化祭の作品について決めたいと思うんですが、漠然としすぎていると思うのでぇ…」
あー、この雰囲気やりにくいな。
「ツルヤ!」
「へっ!俺!?」
「とりあえず、この空気を温かくして。」
「はっ!?」
ツルヤは何がなんだかわからなそうだったけど、とりあえずやりにくいものはしょうがないじゃん。
「はい、ツルヤが一発芸やってる間に、アイディア膨らましてくださ~い☆」
「…沙南ちゃん、てきとー…笑」
「いいのよ、こんなので。ここに立ってるだけでありがたいと思って欲しいわよ」
ぼそぼそと聞こえない声で、しゃべる。