ナツ色の恋~最強男が愛した伝説の女~
「逢いたかった、ずっと」
「あいた…かった?」
驚いて、目を開きながら愛村の顔を見た。
「……っ!?」
その瞳は、先ほどと変わらず優しかった。
「俺、サタン」
「・・・・・・」
いや、いきなりサタンと言われても…。
「……はっ?悪魔ぁ?」
「違うって!だから、レッドテイル総長の“Satan”聞いたことない?」
………ある、かも。
「ぎゃーー!ソレ死ぬって!死ぬってぇぇえ!」
「うるさい黙れ、いっそ死ね!」
「玲ちゃぁあん!?」
「……売られた喧嘩しか買わないって言う?」
「そうそれそれ。」
玲奈とツルヤのやり取りを見て、笑いながら愛村は答えた。
「……嘘、でしょ?」
まさか、愛村がサタンだったなんて。
あの県内最強の男が、
あたしの目の前にいるなんて。
「信じられない」
「それは、俺も」
「……なんで?」