ナツ色の恋~最強男が愛した伝説の女~
寒さを堪えるために、机にうつ伏せになる。
こうなったら意地でも寝てやるわよ!
少しカタカタと震えながらうとうとし始めたとき、フワリと何があたしを包み込んだ。
───え?
ガバッと起き上がると、自分の席に戻る愛村の姿があった。
起き上がった拍子に落ちたソレを拾う。
まだ人の温もりが残ってるカーディガンだった。
普通なら、喜べるはずなのに。
あたしはどうして素直じゃないんだろう……
嬉しさと苦しさがまたこみ上げる。
「…~っ!」
立つときにギィーっと椅子の音がした。
それと同時に愛村はあたしの方に振り向く、
……目が合ってしまう。