【続】素直になるまで
「さっきまでは何ともなかったのにな…」
『夏希、今家?』
「うん」
『じゃあ、玄関開けて?』
「えっ?」
『早く~』
言われるがままに玄関に行って扉を開けた。
「来ちゃった!」
結衣はそう言って無邪気に笑った。
「どうして?」
「どうしてって、夏希が心配だからに決まってんじゃん!」
「ありがとう……」
気が付いたら、結衣に抱きついて涙を流していた。
「とりあえず部屋行こう?」
「うん、時間大丈夫?」
「あたしは全然平気!」
「あたしのためにありがとう」
「いいえ」
結衣のこういう優しさが昔から大好きだった。