ヤンデレ彼氏様
神様、携帯というものはとても便利です。

しかし、彼氏様にとっては束縛のための道具と化します。人類は彼氏様に携帯を持たせるべきではなかったのです。

「男は中か?」

麗しい見た目の少年から、地響きを起こしそうな声が発せられる。

「お、男なんていない!」

ああ…声が裏返ってしまう。

「匿っても無駄だぞ?」

「誰もいないよ!」

人間離れした迫力に腰が抜けそうです。

「ほ、法事があったんでしょう。なんでここにいるの?」

この町に居るなんておかしいじゃん。

「電話に出ないから、終わってすぐに帰って来た」

ごめんなさい、ご先祖様、ご親戚の皆様。
あたしが携帯を忘れたばかりに彼氏様は鬼と化しました。

でも、悪いのはあたしだけじゃない!

< 11 / 24 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop