ヤンデレ彼氏様
怒りは引いてしまい、目の前の状況にあたふたする。

「昴?」

「だって……」

「うん?」

彼氏様の言い分に耳を傾ける。

「梨杏に何かあったんじゃないかって心配で……、それなら浮気されてるって考えたほうが楽だったんだ。もし梨杏がいなくなったら、俺は生きていけない…」

「何それ」

あたしは呆れながら、昴に抱き付いた。身長差の所為で包み込めないけれど、包み込むような気持ちで力を込めた。

「心配性すぎるし、大袈裟すぎ」

あたしが呆れたのは、あたし自身。

結局、昴を許してしまうんだ。

< 13 / 24 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop