モノクロ。



さんさんと太陽が照り付ける中、学校までの道を歩く。


………大牙と。


や、別に嫌なワケでもないし…いや!だから、何で大牙がいるのって話。


「目線が怖いから真依と行く。」


そりゃあんたのファンだよ!と言いたい。翔夜と大牙の両方のファンを敵にまわすなんて、あたしは勘弁だよ。


「大牙…自覚した方が…。」


「は?」


「だから…あれは、こ、"怖い目線"じゃないと…思うよ…。何ていうか…愛し?愛し?みたいな。大牙に一目惚れだ!大牙のコト好きなんだよ、多分、うん、………」


…………切れ長の瞳で見つめられたら………睨まれたら。怖くて仕方ない。





"翔夜に告る気ある?"


そう聞いたあの日。玲亜は顔を真っ赤にさせて、


"ある"


呟いた。






「おはよ!二人で登校ー!?星羅も混ぜてえ!ていうか昨日ね、真依と別れた後、」


話を続けようとした星羅が一瞬止まる。


大牙が星羅を睨んだから。星羅は泣きそうになる。


…どころか。


めちゃくちゃ嬉しそうな顔して、"大牙おはよう!今日晴れたねぇ。屋上でサボらない??"なんて大牙をサボりに誘ってたりするところ、見つめられたと思ってるっぽい。


可哀相な星羅。睨まれた事に気付かないなんて。見つめられたと勘違いしてるなんて。


大牙は教室までついて来ると、別れた直後に屋上の階段の方向にUターンしていく。


それを見た星羅も、大牙に突進してく。


………あたし暇じゃん…。
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