たいよう
「たか、昔は飛び付いてきたのに。高2になってどうしたんだよ」
そうだ。舜の言う通り。
俺は高1の頃、舜に合コンに誘われると必ずすっ飛んで行っていた。だけど、もう行きたくない。
軽そうな女と軽く付き合えば、忘れられると思ってたんだ。
「いかねーよ」
俺は静かに低く、そう言った。
「そうは言わず。まぁ今回は強制参加。合コンというか、クラス会だから。全員参加なんだよ」
ますます、行きたくない。
「俺ぐらいいなくたって大丈夫だろ?」
「何で行きたくねぇんだよ」
そんな舜の問いに俺は黙ってしまった。
そんなとき遠くから、女子達の聞こえてきた。
『優架ーさーちゃん、説得してよ!!』
『そりゃ紗愛は行きたくないだろうし』
『全員参加なんだよ!?』
『…優、もういーよ。あたし行くから』
『ちょ、紗愛、大丈夫なの?』
『行かなきゃいけないんでしょ?こんなに人数いるんだし大丈夫』
『ん、分かった。あたしはクラス違うからいけないけど、何かあったら電話しておいで』
『なんか優架、さーちゃんのお母さんみたいー』
行けねーよ、俺は。
こんな会話聞いて行く方がおかしい。