たいよう
この友達が、あたしとそらだったら。かなりの迷惑をかけていることになる。
謝っても謝っても、謝りきれないよ。
二人が両想いなのは分かっていたけど、なんでくっつかないんだろう、と思っていた。
優に言われて気がついた。
そうだね、あたしとそらのせいなんだ。
ふと新聞に目をおとした。
─ズバリ今好きな人はいますか?
─ずっとずっと好きなヤツがいます。
「紗愛」
「ん?」
「そらの事なんだけどさ」
優が、高校に入ってからそらの話題を持ち出してきたのは初めてだった。あたしが寝ているふりをしているとき満南に話していたことはあったけど。あたしにこうやって切り出すのは初めてだった。
多分あたしと同じ部分を読んだからだとおもう。
「そろそろ逃げてばっかじゃダメでしょ?そらも紗愛も、みてらんないよ?」
あたしは優の言葉には答えず、窓の外をみる。
そらが友達とバスケをしているのが、否応なしに見えた。
……笑ってる。