たいよう
「な、紹介してよかっただろ?」
俺達の会話を黙って聞いていた航平が、都築さんと優架が楽しそうに話しているのを見ながら言ってくる。
「いい子だな、都築さん。優架と友達なのが不思議だ」
ほわほわした感じの子がなんてこうまたがつがつした感じの優架とこんなにも仲がいいのか疑問だったけど。
「さーちゃん、モテるからな、ちゃんと引き留めとかないとどっかいくよ」
「は?何で俺に言うんだよ」
航平にはもうすでに分かってたのかもしれない。俺が気づくよりも先に。俺が紗愛にベタ惚れするって。
「さーちゃんと空紘かー空紘ならさーちゃんの彼氏として許してやるよ」
「航平は紗愛のなんなんだよ」
「あ、もしかして妬いてる?」
楽しそうな航平が憎たらしい。蹴飛ばしたい衝動を押さえて俺は言った。
「いーや。何様か、って思っただけ」
「うーん幼なじみかな」