たいよう
「そらが走るのは」
ちょっと予定より遅くついたから、もうすでにそらは走る前の招集にいっていなかった。
優が買ってきたプログラムをめくってそらの名前を探す。
「えっと、中2男子100は、っと。水瀬空紘、水瀬空紘…あーあったあった!そら、予選は2組の5レーンだって」
「まだ女子やってるから、間に合ったね」
トラックを見てプログラムを見てまだ終わってないことを確認する。
「あーよかったー道に迷ったから焦ったよ。間に合わなかったら、そらに怒られるとこだったよー」
「まーよかったじゃん、優。一応たどり着いた訳だし」
「やっぱ1年前の記憶って曖昧だね。ホントごめん、紗愛!」
いつもはしっかりしてる優でも方向音痴なのだ。知ってるけど、今回ばかりは、あたしが分からないから優が先導したら、見事に迷ってしまった。