たいよう
スタンドの柵によっかかった。よかった、ちゃんとみれる。
「やっぱり地図印刷してくればよかったー」
横でぶつぶついう優。
「優が大丈夫って言ったんじゃん」
「だってさー覚えてると思ったんだもん」
ホントになんでもこなすのに、優は方向感覚だけはない。あたしが優に勝ってるといえば、方向感覚くらいじゃないかと思う。
「まーたどり着いたんだし。いいじゃん」
「紗愛の野生的なその感覚があってよかったって思ったよ」
「何それーあたしが野生の動物みたいにさー酷いよー優ー」
「うーん、紗愛はリスかな」
「リス、可愛いよねーっじゃなくて!」
優はあたしをからかってるとしか思えない。折角優のピンチを助けたのにさ、と口を尖らせる。
優はごめん、ごめん、って謝るけど、絶対本気で謝ってないよっておもってふいっと拗ねた。