たいよう
「紗愛、よく頑張ったね」
あたしが泣きそうな事に気づいたのだろうか。
「うん……」
そう相づちを打って、また小さな紙切れを見る。
あたし達が住んでいる地域はちょっと離れた田舎で、この学校に来ているのも数人。
あたしのクラスで同じ地区なのはそら、1人だった。
優が気をつかってくれたのだろう。そらにクラス会に行くように言ったのも優なのだろう。
まだあたしはひとりでいれないから。
だからそらは来てくれたんだ。
来たくもないこのクラス会に。
「水瀬くんが送ってくれるんなら安心だね。……といっても、紗愛、大丈夫?」
満南の問いかけにあたしは静かに頷いた。
そらと帰るなんて
何年ぶりだろう…