たいよう


わけがわからなかった。
ただただそらって叫んでた、と思う。




完璧なスタート。1、2争うような反応速度で、二人は一瞬にして、最初の加速で他の6人を置いていった。



一歩前に出れば、今度はもう片方が前にでる。



8人で走ってるはずなのに、たった二人のレースみたいだった。




ぐい、ぐいっと力強くかけていく。あたしの前を通るのも一瞬だった。




素直にカッコイイって、そう思った。




二人もつれ込むように、ゴール。




どっち、どっち?
勝ったのは、どっち?




祈るように、あたしは手をあわせて、速報タイマーを見た。






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