たいよう

空紘side



───


「たか!」



「げ」



振り向かなくても、分かる。俺は思いっきりしかめっ面をした。



「げ、って酷くね!?」



ぎゃーぎゃ、うるさい。
俺は思いっきり、ため息をついた。



「まーいいんだけどさ。こないだの取材に来たヤツ、雑誌に載ってるぞ!」



じゃじゃーんと小学生が言いそうな効果音をつけて、舜は雑誌を見せてきた。



「あー」



そんなのも、あったっけ。



「ちょ、たか!忘れるとかあり得ないし!」



否、覚えてはいたんだ。ちょっと前までは。俺が取材されるとかビックリだったし、いつも読んでる雑誌だから、なんか信じられなかった。




だけど。
ここ数日、俺の頭は紗愛一色だった。





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